キセル＆moose hillすきまミュージック@吉祥寺スターパインズ
最初にムースヒルが団体で出てきた。キセルだけでバックにムースヒルなのかと思いきや、どうやら別個にやってくれる様子で個人的には嬉しい限りなんだか、周りのあまりのテンションの低さに驚きつつがっかり。ほぼ無料のライブだというのになんと即物的な。演奏はすげえ良かっただけになんか悔しい気持ちになった。
ムースヒル自体は伊藤ゴロー様１人ユニットなんだけど、今日はライブ編成ということでドラムに伊藤葉子、ハープに吉野友加、サンプラーに三宅さんの４人でRamやFutariでの俺にはお馴染みの楽曲を披露。
- starwheel(Futari)
- back of day(Wolf song)
- snowy land(Futari/Wolf song)
- Love(Ram)
- grass man(Ram)
だったかな。
生が良いのはどんな場面でも一緒(さりげないエロ) 。ゴロー様のギターは揺らぎがステキで葉子のドラムは金物が粉っぽくて好みだった。この人のドラムは押し引きがハッキリしていてかつ、引いたときの細やかな感じがいい。ハープも当然だけどハマりまくり。サンプラーの三宅さんもgrass manでの汽笛の音がナイスでした。ただ、一点だけ言うならエレクトロニカ(12Kっぽいマイクロ系の)音のＳＥはもはやちょっとベタで小栗栖やら高木正勝周辺を思い浮かべもしましたが、全体的にはアレンジもばっちりで素晴らしい至福のひとときだったです。moose hillスゴい良い。一昨年のベストがwinter songs(あんまり評判を聞かないけれど、個人的には小栗栖、高木のベストワーク、音楽的にはアコースティックを重視していてmoose hillと結構似てると思う。)だった僕にはツボ過ぎる。ゴロー様ありがとう。moose hillの曲はここで試聴もできるんで聴いてみてよ。
そして、開演からきっかり一時間後の八時にキセルの登場。色めき立つ場内、とはいえキセルはキャラ萌えの要素も強いし、気持ちは良く分かるけど本当にアレですよ、あなた達。
意外にも今回はゴロー＆ヨーコはお休みのドラムとサブギターなし、代わりにエマーソン北村氏がキーボード(オルガン)で参加。これは本当に意外。そういえば、フライヤーのなかに北村氏のものがあったっけ。ほんちゃんのツアーではゴロー＆ヨーコも参加するようで、やはりそちらも行かねばならぬか。
上記の通りドラムとサブギターはなしの編成のため、窓に地球からは「窓に地球」、「町医者」のみ。あと「方舟」、「砂漠に咲いた花」、「柔らかな丘」もやった。もう少し、アルバムから聞きたかったが、それはツアーをお楽しみにということか。
個人的ツボは隠れ名曲の「青空に」が今までも何度かライブで聴いたことはあったけど、今回は北村氏のキーボードでほぼ完全版だったこと。もちろん既発の曲もアレンジが変わっていて、楽しそうに演奏していた「雪の降る頃」は祭り囃子のようなリズムにアレンジされていて過去最高の出来だったし、「ギンヤンマ」も不変の名曲「ハナレバナレ」ですらギターがちっとだけ変わっていて、こちらを楽しませようという気持ちが伝わってまいりました。こちらにも一つ言うならエマーソン北村氏のオルガンの音小さ過ぎ。全体にPAがやや甘かった気がします。
ライブでの兄のディレイや逆回転を駆使してその場でバックを作る芸当はパズルかなにか組み立てているのを見ているような気分になって大好きだし、弟もどんどん上達してもう立派なマルチミュージシャンだし、兄の「あ」の声は麻薬的だし、微妙なＭＣも人を幸せな気分にさせてくれる。やはり、キセルはワン＆オンリーの極上ミュージシャンですよ。
CD買っただけでこんな楽しませてくれたビクターにはCCCDの恨みと混ぜこぜの複雑な気分ながらキセル周辺の人らには感謝。上層部は死んどけ。できもしないのにこんなこと言いやがって。
だからこれはあくまで、ビクターエンタテインメント100％の会社ではあるんだけど、ま、この会社つくる時に、そのビクターの中でも話をして、この会社はあくまで、外部のプロダクションと同レベルの仕事を目指しますと。つまり、ビクターのルールには乗っ取りません。例えば、音楽配信とかネットビジネスとか、新しい、そのニュービジネスも独自のスタンスで全然違うことをやります。それから、他のレコード会社と取引もします、というのでスタートしたんですよね。
CCCD騒動に対する俺の姿勢は、「メジャーは売ることが目的な以上売れなきゃ意見もできない→このアルバムがCCCDだから売れなかったらキセルはビクタークビ→インディーズに戻る→とりあえず、既存のファン（俺も含め）は付いていくだろうけど新しいファンがメジャーでの活動以上に付くとは思えない。＜曽我部とか見たら現実はそんなもんでしょ。→それはキセルにとっていかがなものか？」
っていうことで本当にキセルが好きなんだったらCDプレーヤーなんて何台壊してでも買って聴くべきだと俺は思う。売れれば意見は通るようになります。それもまたメジャーというもの。
とは言っても俺がここまで甘い顔をするのは本当に好きなキセルだけです。他のメジャーで今、当落線上にいるくるりやらスーパーカーやらはそこまででもないんで買わないよ。好きなら買え、それほどでもなきゃ買うなということ。本当ならCCCDなんかにしない方がいいことは目に見えてるんだけどね。この辺りのアーティストなんてコピーで広がって、そのなかに買う人もでてくるっちゅーもんなんだし。
結局、俺は当の「窓に地球」もmacでエンコしてiPODで聴いてるしね。
