Tortoise"It's All Around You"

日本発売は3月3日ですが、一足早く聴かせていただいてます。僕はどうやらこの作品のために最近、シカゴ周辺をおさらいしていたようなんですけど、こんな微細の市場にまでサンプルくれるHEADZは人が良過ぎて心配になります。
今回のトータスの新譜は秘境感たっぷりのジャケを御覧になってもお分かりの通り、今までとはちょっと違うムードに満ちていますよ。しかし、このジャケも良く見ればCG。裏ジャケもヒネくれた感じになっていて、そこは楽曲同様に一筋縄ではいかない。肝心の音はというとこれがまた、かなり「名盤」な匂ひが。一曲目こそ、典型的トータスなビブラフォンを用いたりしてるんだけど、二曲目ではいきなりバンド初のコーラスの導入。トータスよお前もか、とは思ったものの歌モノ的なわけではなく、あくまでも楽器的な使用でインストバンドの形態は保ちつつ、更なる音楽領域拡大を果たしております。全体のクオリティは異常に高く、受けた印象を一言で言えば、「あり得たかもしれないトータスのファーストアルバム」って感じ。ハッキリ言って、目新しさという点では驚くようなことはないとも言えますがポップにまとまりつつも中はごった煮状態というトータスらしさは相変わらず。メロディのどこかいなたい感じもそのままで、尖り過ぎた部分がない分、今までとは違って末永く聴けそう。そんなところがファーストっぽい?
POPを書くとしたら、「すでにトータス好きな人はもちろん、今までのトータス諸作を聴いてない人にこそ聴かせたい一品」という感じでしょうか。


追記:と思ったんだけど、今"TNT"聴いてみたら以前聴いてた時以上に良いな。やっぱ"TNT"も名盤ということで。末永く楽しませてもらいます。