見る気がない華氏911を遠目から見る。

今、華氏911について井筒監督がブチギレしてたけど、そういう気持ちもわからんでもない。きっと、映画をエンターテイメントとして捉えてるカントクには受け入れがたいんだろう。実際、俺も、映画に限らず、物語っていうのはいいウソであって欲しいと思う。だけど、「華氏」って見てないからわからんけど、あくまでもセミドキュメントであって物語じゃないんでしょ。それは蕎麦屋でポトフを注文するみたいなもんだ。今まで興味なかった人に知らせることが目的ならその目的はカンヌの受賞によって促進されてるわけだし、賞の権威をそういう方向に使うのは完全に私物化とはいえ、一概に間違いとは言い切れないだろう。
第一、こういうドキュメント的なものが大々的に受け入れられるっていう現象は稀だし、それ自体は歓迎すべきことでしょう。ドキュメントには物語に負けないほど面白いドラマがあるしね。その意味で「華氏」がそのドキュメントのドラマ性を上手く料理できていないということなら、そこを批判すべきだった。新事実とかめずらしい映像なんかでハァハァ言ってないで。
つっても、大学でこっち側のことを専攻してる俺が、「華氏」なんて見て、その新事実とやらに「ホーぅ」とか言ってたら終わりなんだけどね。だもんで、興味があるのはもっぱらその影響。