林明輝「Big Hearts」8点

モーニングで連載が再開されて一月くらいたちました。地味で淡々としていながら、人間を描くことに見事に成功しているボクシング漫画なんですけど、連載再開後からも楽しめはしているけど何かもの足りない気がしてました。で、今週、そのわけに気が付きました。それは何かっていうと「言葉」なんですよ。この作品はその回を象徴する言葉を各回のアタマに抜き出している単行本の作りを見てもわかるように、淡々とした描写の中にズシっとくる言葉があったんです。まだ読んでない人のために直接は書かないですけど、1巻の中の一場面で後楽園ホールから帰る途中の落書きですとか、2巻の中で主人公とコーチが練習のなかで何気なく吐いた言葉がその最後にもう一度思い出される場面ですとか。この作品ならではの絵の衝撃ではない、言葉の衝撃。そいつが再開してからここまでのところ現れていないのがどうやら俺は不満なようです。でも、まだ始まったばかりだし、これからも引き続きこの作品は要注意。