新井英樹「キーチ!!」5巻

ものすごい久々の新刊。そして、期待を裏切らないどころか、毎度毎度、遥かに超えてる逆累進課税状態。待っただけの分に利子付けて返される希有な漫画家。どんなに褒めても称えても足りない。なんなんすか、この異物感。なんで誰も大っぴらに言わないのか分からないけど、新井英樹は傑物で至宝で、ひょっとすると天才です。
誰もが楽しめるとい点で新たな路線である「シュガー」とは異なり、「キーチ!!」は「ザワールドイズマイン」のリベンジなんだろうってことが、この巻あたりから色濃く表れてきている。というかキーチと甲斐の関係はモンちゃんとトシと、今のところほぼ完全に相似形を成してるし。みさとがマリアかという点は置いておくとしても。この関係性が今後どうなっていくのか。このテンションのまま来月に出る続刊を待てるなんて幸せとしか言いようが無い。万人にお勧めしたくはないが、確実に今、最も楽しみなマンガの一つ。躁状態である「シュガー」と鬱状態の「キーチ」、どちらも傑作ってすげーな。両方とも最後までこの右肩上がりを続けられるなら、もう完全に一生付いていってもいい。