山崎さやか「マイナス」

そういえば、この時期の山崎さやか(沖さやか)って安達哲の影響バリバリだったっけ。リアルタイムでヤンサンを読んでいたこともあり、どこか懐かしくもあったが、ブラックコメディとあるこのマンガは今も昔も僕にとってはコメディとは思えない。いや、あまりにも行動が極端で笑っちゃうしかないっていうのはあるんだけども、その精神面の動きは共感できるところがあるし、それだからこそ今、この作品が復刻されてもいるんだろう。嫌われることへの恐怖を一旦は克服した主人公が再びその恐怖に捕われ、次第に追いつめられていくクライマックスは、問題となった食人の場面よりよほどグロテスクですらあり、目を背けたくなるほどだった。そして、主人公が最後に辿り着く結論は先に述べたように安達哲の名作「さくらの唄」との相似を成すのでした。ちゃんちゃん。