「サービス産業」としての出版業

http://d.hatena.ne.jp/solar/20041012#p1
思考リハビリ。
出版はサービス産業かどうか、はそれ自体非常に興味深い問いかけであり、情報という形の無いものを販売する情報産業の一員としてそういった側面から捉えることも確かに可能だろう。だが、

かりに材料(原稿と紙)があったとしても、個人ではできなかったりコストが割りにあわない部分の作業を代行するのが出版社であり、その対価として読者と著者の双方から、なにがしかのお金を取る、というのが出版という「サービス業」の基本だと考えるべきだろう(印税一割ということは、それ以外は著者が出版社に払っている、と考えてもいいのだから)。

というのなら出版物が売れなかった場合のリスクは誰が抱えるのだろうか。サービス産業は基本的に在庫リスクは存在しない、もしくは少ないものであり、実際問題として出版業を一般のサービス産業として割り切ることは難しい。むしろ、ゲーム業界に近いものだろう。(経済産業省の「特定サービス産業実態調査」ではゲーム業界はサービス業に含まれてはいる。)ゲーム業界と出版業界の違いという点から考えられるのは、出版に消費者第一とするマーケットの論理がどの程度通用するのかという旧来からの疑問であり、サービス業として含められ保護を受けていないゲーム業界に対して文化事業として保護を受ける出版という業界間の比較から大きな示唆を得られるのではないか。(といっても寡占が進んだ今のゲーム業界じゃ無理か。一作品への投資も桁違いだし、方や作家性云々もある。むむう。)
ともあれ、思うに、この問いかけは再販制維持or廃止という、もしくは文化か商品かというお馴染みの議論の変形に陥る危険性を多く含んいる。とはいえ、現状が版元、取り次ぎ、書店、消費者という4者が4様に不利益を訴えているような状況である以上、サービス業としての出版という視点はバランス感覚として必要に感じる。

とか言ってみる。やっぱノリだけで言ってるとずれるな。しかも、まるで生産的じゃない。っていうか、そもそも出版業界は苦しい苦しいと言うけど、それは映画もゲームも音楽も、つまりはコンテンツ産業全体に共通してはいないか。要は、パイの切り分け方が代わったから苦しいって言ってるんだろう。なにはともあれ、練習、練習。がんばろ、俺。


追記、しかもコメント欄の方と微妙に被ってるんですか?そうですか。うん、がんばろ。