スタジオボイス6月号「最終コミックリスト200」

スタジオボイス初のコミック特集号なもんでご祝儀。コミックということで、自分がマンガ読みの最前線に居ることにまるで疑いを持っていない私ですが、案の定、良い時のスタジオボイスから感じられるような「わからないけどスゲエ」という感覚は、このコミック特集からは感じられない。まぁ、一言で言えばヌルい。


いろいろと言いたいこともあるけど、中でも特に、後藤勝という人のレビューには?が付くことが多い。「テニスの王子様」と「日露戦争物語」の楽しみ方が素直すぎて、物凄い違和感がある。「テニス〜」のテニス描写が秀逸、とか言ってたり、「日露〜」にはメッセージの押し付けがない、とか言ってたり、この二つに関してはこの人、完全にどこ見てるんだかわからん。「テニス〜」のテニス描写なんかは秀逸でもないし、ましてや「テニス〜」を語る上では重要じゃない(キャプテン翼のサッカー描写がどうでもいいのと同様に)し、「日露〜」はそのエピソードの取捨の時点でメッセージを過剰なまでに内包してるだろ、と言いたい。あと、この人は完全な失敗作である「Glaucos」を褒めてたりと、やっぱちょっと信用ならんな。「Glaucos」が何故失敗したか、ってのを語るべきだろう。今のマンガ読みならば。「ルサンチマン」もまともなレビューじゃねえ。レビュー書けるほど、消化できてないのなら断れよ、と思う。


要するに、スタジオボイスのマンガ特集にオレが求めていたのは、過剰なまでの深読みと激しい思い入れの発露って感じなんだけど、今回のそれは極めてオーソドックス。QJも今イチだったが、それと同じ。SIGHTの方がまだ楽しめましたね。