ほこりとたいよう

美術館行ったり、友達の家でお手製のカレーをごちそうしてもらってる2日間。突然寒くなったね。そんなわけもあって、藍染めのパーカを買って早速着たんだけど、予想してたとはいえ下に着たアイボリーのTシャツにちょこっと色落ちして少しだけ愛に染まった。これもまぁ、味だ。でも、実際のところ汚れや傷を味って言うのって、そこに愛着を覚える文化って、まぁ、理解は出来るんだけど、正直俺にはあまり無い方向性だ。俺は、ピカピカのものがどんどん汚れていって悲しくて、それを諦め混じりの破れかぶれでこれも味だ、なんて言って自分とか周りとかを無理矢理に納得させるように、都合良くその文化を利用する方が多い気がする。やっぱりピカピカのときのワクワクの方が好きなのです。


ひょっとしたら、あらゆる感覚のなかでも一番深いのって嗅覚なんじゃないかと思う。いや、深いってか、心やら感情やらに直結してるってことね。普通に暮らしてるとやっぱり目、耳ってのがどうしたってメインだと思ってしまうんだけど、触ったり嗅いだりってのはそういう普段意識して使ってないぶん無防備なとこにあって、だって見聞きするのなんて、どんな人に対してもしてるけど、触れて嗅ぐなんて恋人くらいにしかしない。そんで、感触よりは匂いの方がふとした時にガッと再現されちゃったりして、もうそんなときは戸惑いに戸惑う。で、俺はこんなありきたりなこといきなり言い出して何が言いたいのかっていうと、今、俺が一番グッとくる匂いってのがあって、それは古本のような太陽と埃の混じった匂いであって、それはなぜかというとアレだからってことだ。我ながらまったく現金な奴だと思う。