くらもちふさこ「チープスリル」

これは傑作だと思いますよ。適当な読み切りっぽい始まりがくらもちふさこならではのストーリーテリングでいつのまにか一つの小さくて大きな謎をめぐる話に展開していく快感。客観的に見れば強引な展開なんですけど、そんなん全然感じさせないところがスゴイ。まさに「ついて欲しいウソ」。最後まで気が抜けないし、読み終わったら一気に脱力。3人の主役をたてた話が結局は1人の話になってしまったのだけは残念。まぁ、その反省がおそらく、この後「天然コケッコー」「α」へと繋がっていったんでしょう。92年作品、こんないいマンガを半年近く積ん読くしてた俺のバカ。