瀬尾まい子「幸福な食卓」

ずるい。これを読む前になんもおきない系を続けて読んでいたから、油断してたよ。いやぁ、上手いですなぁ。泣いたよ、そりゃ泣くよ。こういう見事に転がされる話ってのもやっぱ素晴らしいとは思う。なにもおきない系とは違って、これを読んだ人はほとんど皆、同じような気持ちになるっていう意味で職人的な仕事だと思う。なんか、微妙に重松清と印象が被ったりするんだけど、まぁ、やっぱシゲマッちゃんよりは瑞々しいわな。どうでもいいけど、糸山秋子の作品はまだ読んだこと無いんだけど、読む前から花村萬月に印象が被るんじゃねーかという予感がしている。以上、どうでもいい話終わり。こういう職人的な話ってさ、その場ではすげー良かったと感じるんだけど、後々まで残ってるのは、なんもおきない系だったりするんだよなぁ。でも、そういう評価軸じゃいけないんだろうなぁ。ということで、この作品は万人におすすめできるお話です。