柴崎友香「きょうのできごと」

これもまた、な〜んにもおきない。上の「プレーンソング」よりもおきない。海にすら行かない。でも、楽しいんだよなぁ。こっちは海に行かない代わりに語り手が移り変わるんだけど、こういう語り手が移り変わる連作短編ってのも、昨今ヒジョーに多い。なんだろう、人の気持ちを知りたいって願望の表れなのかな。とりあえず、これの映画を見たいと思った。読んでいて、たまに、フィクションだってことを忘れた。この人ももっと読みたい。そればっかだな。お気に入りのスカートを買えなかった女の子が、もう二度とあのスカートには会えないと悲嘆にくれる部分はうっすらとシをイメージさせるわけで、日常ってそういうもんですね。