シューゲイザーといえばManualの新譜の話なんだけど、

あれが良いって人に喜多郎のワゴンでもよう見かけんような昔のアルバムを聴かせたらどんな反応するんだろう。これもマニュアルの新譜だよ、とか言って。多分、アリなんじゃないかと思う。っていうか、今の人って喜多郎って知ってるのか?俺は喜多郎を知ったのは小学校4年生くらいの自家用車の中で、数少ない親が聴いていた音楽だったわけで。他にはリチャード・クレイダーマンとか。この辺はシーンとかそういうの知らないで突発的に名前を知って覚えちゃった人だから、他の人がどれくらいしってるのか見当もつかないのだ。


親父の実家が福島で、そこに小学校の頃はまだ持っていた車(トヨタのクラウンとかいう小学生心で見てもダサいチョイス。俺がこの歳まで車にあんま興味を持てないで生きてきたのは、このときの「車ってだっせー」感覚に由来しているのだと思う。)で、当時飼っていたオカメインコの鳥かごを抱えて後部座席に押し込まれて、毎年夏休みに行っていた。そんとき、イトコだかなんだかが録り溜めていたカセットテープを親父が強引に徴収して、以後車内は喜多郎がエンドレスリピート。以上。そんな思い出。


そんな田舎もじいちゃんが死んじゃってから7人くらいいる兄弟で遺産争いが勃発して、とーんと疎遠になりやがった。知らねえよ、そんな話。俺はその田舎の海とか山とか、一人でビュンビュン車が通る道をひたすら歩いて15分くらい歩いて、ようやく見えてくる小さい小さい雑貨屋でばあちゃんに頼まれた蚊取り線香を買って、ビンを抜き取る自販機で買ったビンのコーラの味とかしか知らねえよ。田舎の潮臭い風の中で、テトラポットに座ったり、砂浜を歩いて花火の燃えカスをビーチサンダルで蹴っ飛ばしたり、カニの掘った穴にドキドキしながら指を突っ込んだり、食べきれないほどのソーメンを食ったら食べきれないほどのスイカを出してくれたおばちゃんの顔だったり、そういうのだけ覚えていよう。そんで思いっきりテレビで「あなたの知らない世界」を見て、縁側にあるロッキンチェアーに揺られながら、上京して行ったイトコが残したマンガ本を読むんだ。「ダッシュ勝平」とかさ。