岩本ナオ 「スケルトン イン ザ クローゼット」

スケルトン イン ザ クローゼット (フラワーコミックス)

スケルトン イン ザ クローゼット (フラワーコミックス)

相変わらず7:3、下手すれば8:2で少女マンガを読んでいる。少なくとも女性の書いたマンガばかり読んでいる。では、この新人岩本ナオは、と言えば、月刊フラワー掲載とバリバリの少女マンガかと思いきや、読んでみるとその手触りはいわゆる少女マンガのそれとは微妙に異なることに気付く。この作者の描く作品の中には、少女マンガ特有のナルシズムが稀薄であり、そのかわりにちょっとした脱臼感のあるユーモアが詰まっている。また、描かれる想いも強烈ではなく微妙なものだ。ジョージ朝倉が帯を書いていることも頷ける。両者ともに、いわゆる少女マンガからはみ出しており、また、それこそが魅力なのだろう。岩本はジョージより淡々として、それでいて滋味深い。これは恐ろしい新人じゃないか。少女マンガ好きのみならず、マンガが好きな人なら全員に読んで欲しい。のだが、このジャケはすげー損してるなぁ。そんなガーリーな感じでもないんで、是非。