わだかまる

ケンカするのって難しい。いや、ケンカするのが難しい相手ってのがいて、それはたぶん、その人自体の特性というより、ケンカするのが難しい関係性がいつの間にか出来上がってしまったためにおこることなんだ。口ゲンカというものは、要するに、互いが普段かけている遠慮リミッターを解除して、言いたいことを言い合う場であって、僕はそれって結構大事なことだなって思う。というか、これはアレだ。定義が逆だな。言いたいことを言い合う場の多くは普通、ケンカと呼ばれます。だから、僕は言いたいことを言い合えるなら、別にそれがケンカじゃなくても良い。それで、そういう場を築いていくのは、怒るとか赦すとか謝るとかそういうものの積み重ねであったり、もしくは油断であったり、過信であったり。全ての悲しみは赦せないことだったり。赦せることが赦せなくなることだったり。わだかまりを融かすものを。


僕は、今まで気付かない振りをしていたかも知れないけど、今日は昨日と繋がってる。未来はいつだって期待してしまうけど、過去が思い出に変わるにはまだ早過ぎる。これもまた、ただの解釈でしかない。日常と非日常に橋をかけたい。別になにかあったわけじゃない。気持ちの問題で、それはつまり、全部、気分だ。


短期的なモードを気分といい、中期的なモードを気持ちといい、長期的なモードを愛というなら、それはとても、結局のところ、それはとても、すてきなことだ。と思いたい。


罪悪感は自分で飲み込め。汚名は着ろ。それが自分のやったことなら、もはや言葉では何も変わりはしないのだから。だから、僕は、この毎日を、この毎日をなんとかしていこうって思って、思っては胸に刻み込んでばかりだ。おかげで、すっかり削れて、削られて、ひょっとして、形が変わってしまったのではないか、って、ふと、思った。バカな。


仕事は辛いですか?ノー。これはアレだ、コーヒーみたいなものさ。どうせなら、冷めさせたくはない。


本当に何も変わってなくて、誰かに何か言うような変化もなくて、それでも、ちょっとした動きとかブレがあったりするから、僕は、言葉で、文字で、埋めるための土砂を掘る。うずたかく、わだかまる。