Tokyo Graffitiという雑誌

http://grfft.com/
これまで一度も買ったことは無いとは言え、なんで自分がこんなにトーキョーグラフィティが気になるのかちょっと考えてみると、とにかくアレは、土台を自分らで作るという観点で雑誌が出発してるからのような気がする。以前、編集会議で、ここの編集長が「とにかく、1000人雑誌に載せて、その人たちが1人あたり10人に買わせれば、それで1万部」みたいな創刊時の考えを言ってて、本気なんだかふざけているんだかわからないけれど、なんとなくそれは方法論の一つとして正しいような気がしたわけだ。それから注目してたんだけど、このところ(正確には3号目くらいからもう)ちょっとそれだけじゃなくなって来ていて、やり方として1000人を土台に遊べることを色々やってみる不定形な雑誌に変化していることを感じる。これを社会学的に読むことも可能だし、おしゃれ雑誌として読むことも可能だし、共感して読むことも可能なわけだ。こんな角度によって見え方の違う雑誌ってそうはないでしょう。気になるのは首都圏以外での売れ方なんだけど、タウン誌の形態は明らかに指向してないから、地方でも都会の若者雑誌として読まれてたりしそう。とにかく、これはジャンルという枠で閉塞してる雑誌界の風通しを良くするような雑誌なんだと思うんですよ。アクロス+アウフォトmeets都築響一は言い過ぎかも知れないけど。それでもこれまでは、この土台を活かしつつ読み物としても独立するような面白さに達しているかという点でやや疑問だったけど、今号はそこもクリアしてると思う。創刊してから一年とちょっと、この雑誌にはまだまだのびしろがあるということですか。しかし、それでも月刊ペースでは摩耗も早そうな気がするのは余計なお世話なんだろうか。隔月でいいとも思うんだけど、どうなんだろうね。あぁ、この雑誌のこと話させると一時間くらい平気でいける。買ったことないのに。
 
追記:と思ったら、3号目ですでに一度、この「昔の写真を再撮影」って企画やってるの様子。気付かんかった。いや、とにかくこれはリスペクト。